ビデオ講座 <6>

新しい水分補給法

私のお薦めするサプリメント成分は、水分補給

<4> 理想的水分補給にはグリセリンローディング法がおすすめです

詳細は熱中症対策・・水分補給の重要性及び水分補給は最重要課題熱中症対策・・を是非お読み下さい。
熱中症予防の第一歩は運動前の脱水状態を是正し可能であれば体内に水分を蓄えておく事です。そのため試合当日は通常よりも1~1.5ℓ多めに水分補給しておくことが推奨されていますが、せっかく事前に補給した水分も細胞内に到達することなく尿として排泄されてしまいます。運動前に細胞内に水分を蓄えておく方法はヨーロッパやアメリカでは従来から行われてきました。日本でも筑波大学の征矢教授がグリセリンローディング法を紹介し、日本人の身体にあった製品開発に努力された結果全く新しい製品が完成しました。この方法なら運動前の細胞内への水分補給が可能であり、運動中も効率良く細胞内へ水分補給が成されます。筋肉や靭帯・関節等が適度の水分量を保つことが故障予防の第一歩である事を認識して下さい。

私が使用している製品は500mlの水に1包溶解し運動前からこまめに補給することが重要です。少し溶解し難いようですが、しっかり撹拌し時間が経過すると大丈夫です。
実は難溶性物質の本体は難溶性デキストリンつまり繊維質ですから、身体には全く無害です。グルコースリバウンド防止のための低GIデキストリンの働きとグリセリン粉末を湿気から守る働きのために不可欠な成分のようです。有名なアイスホッケーチームやJリーガー、テニスプレーヤー、ゴルファー、陸上選手、野球選手等多くの選手が効果を実感し絶賛しています。1日に2ℓ以上摂取しても特に問題ないようです。

私も2010年夏の猛暑中、ゴルフで自己ベストを更新しアンダーパーを記録しました。非常に効果を実感しています。

3)グリセリン・ローディング


経口摂取された水分は腸から吸収され血管内に取り込まれますが、大半は腎臓を通過する際に尿として排泄されてしまいます。(図⑤⑥⑦)
図5図6図7








脱水状態とは、細胞内の水分量が減少し、細胞がしなびてしまった状態です。したがって経口摂取した水分は、尿になる前に細胞内や細胞間に取り込んでおく工夫が必要になります。この方法のひとつとしてグリセリン・ローディングが考え出されました。(図⑧)

アメリカやヨーロッパでは1970年代から研究が進み、今までに多くの実践者がいてその効果は確認されています。実践者の一人が英国のセバスチャン・コー選手です。図8彼は1980年代に800m走で実に12回の世界新記録を達成した歴史に残る名選手です。その父でありコーチでもあった父ピーター・コーが著書「中長距離ランナーの科学的トレーニング」の中で紹介したのがグリセリン・ローディング法であり、共著者のデビット・マーティンは米国陸上競技男子強化委員会のメンバーで長距離選手の育成に長年携っている生理学者です。
グリセリン・ローディングをすると、身体の組織の中に水分を蓄え体液の電気化学的性質を長時間長持ちさせることができるので、脱水による事故を防げるのです。同書には「1991年の東京世界選手権、1992年、1996年のオリンピックなどでグリセリン・ローディングが適切な水分量を維持するために非常に効果があることがわかった」と記載されています。これは飲みすぎによる弊害であり濃度と量を守れば副作用は無い事が確認され、世界ドーピング禁止機構によると通常の食品摂取や経口薬剤に添加物として含まれる量を摂取してもドーピング検査で陽性になることはなく、血漿増量作用を期待する量;体重1㎏あたり1~1.5gのグリセリンの摂取が目安とされています。
安心して使えて効果があるにも関わらず、日本ではグリセリン・ローディングが行われた経緯がありませんでしたが、同書の日本語訳を監修した筑波大学の運動生理学者征矢英昭教授らのグループが研究を重ね、ついに理想的グリセリン・ローディングが望める飲料を完成させたのです。
図9図10図11ご存知の通りグリセリンは脂肪の一種です。(図⑨)
したがって消化管から吸収されたグリセリンは先ほども述べたとおり、リンパ管を通って集合し最終的には胸管に集まります。ここから頚部にある静脈角から静脈内に注ぎ込まれます。大腸から吸収された水分とここで合流しグリセリン+水(以下グリセリン水)として血管内に存在します。グリセリン水は脂溶性であり細胞膜の選択的透過性を利用して水溶性分子よりも容易に細胞内に入って脱水改善に貢献します。またグリセリン水は結果として血管内の浸透圧を少し高くすることになり、視床下部で感知されるため抗利尿ホルモンの分泌が増え尿として排出される水分量は減少します。(図⑪)


図13そしてグリセリン水が一度、細胞内に入ると浸透圧が高くなり血管内や組織間の水分を一層取り込む事ができ、溜めておくことさえも可能になります。普通の水は尿になってしまいますが、グリセリン水は細胞内に入り込める救世主になり得るのです。ただし、グリセリン水はその濃度が問題で理想的なグリセリン飲料を作成するのに、非常に苦労したようです。細胞内に水分を取り込めることは非常に重大な意味があって、脱水の予防だけが目的であるわけではありません。筋肉、関節、骨、靭帯等運動する為の臓器に適当な水分量を保持する能力が備わる訳です。筋肉でさえ75%は水分と言われています。筋肉の水分量が減少した状態では十分なパフォーマンスを発揮できないどころか、肉離れ等故障の原因になってしまうであろう事は容易に推測できると思います。グリセリン・ローディングは次世代型水分補給法として今後脚光を浴びる事になりそうです。(図⑬)

実際一部のトップアスリートが既に実践していますが、評判はすこぶる良いと聞いていますし、私自身、酷暑中のゴルフで例年のように脱水に悩まされること無く、自己ベストを更新しアンダーパーをマークする事ができました。