アンチエージング

アンチエージング

1.美容:肌の健康

アンチエージングに興味がある方は美容目的、特にお肌の心配をしている方が大半だと思いますので、まずお肌の問題から述べていきたいと思います。その為には少し面倒かもしれませんが皮膚の解剖・生理を学習する事から始めます。

図1皮膚の構造
私たちの皮膚は表皮・真皮・皮下組織の三層から形成されています。







図2表皮
表皮は角質層・顆粒層・有棘層・基底層からなります。

最深部の基底層では28日周期で角質細胞を作り出し表面に押し上げていくターンオーバー(新陳代謝)を繰り返しています。一番外側の角質層はバリヤー機能の主役を担っており、角質細胞が何重にもブロック状に重なった状態になっておりその間を保湿成分であるセラミド(細胞間脂質・スフィンゴ糖脂質)が充填されています。
セラミドは脂質であるにもかかわらず水分と結びついて交互に層状に並んだ構造をしており、肌表面の保湿(水分蒸発防止)と異物侵入抑制(外部刺激の防御)の働きをしています。
アトピー性皮膚炎患者ではバリヤー機能の破錠が起因していることが認識されています。


図3真皮
皮膚の主要部分である真皮では細胞間の隙間を、コラーゲンを中心としてエラスチンやヒアルロン酸等のムコ多糖類(グリコアミノグルカン)が細胞間マトリックスを形成しています。







図4コラーゲンは(図④)細長い繊維状の蛋白質で人体形成蛋白の30%を占め、皮膚の他にも骨・軟骨・関節・靭帯・腱・歯・血管壁等に多く含まれています。体内での生産能力が20才をピークに減少傾向になること、合成にはビタミンCが必要であることは皆さんご存知の通りです。(図⑤⑥)






図5図6









図7エラスチンもコラーゲンと同様に細胞外で働く繊維状の蛋白質で、ゴムのように伸び縮みする性質があります。組織の柔軟性・弾力性に関与し、皮膚の真皮・靭帯・腱・血管壁など伸縮性の必要な器官に存在します。真皮ではコラーゲンにコイル状にからみついており、コラーゲンが豊富にある状態では活発に活動します。非常に耐久性のある繊維ですが、老化とともに分解され生産能力が低下し、中年期では25%以上減少すると言われています。紫外線や活性酸素がこの老化を促進し、環境汚染やストレスが肌トラブルの原因になるのです。(図⑦)





図8また動脈硬化による血管の変化はコラーゲンの変性とエラスチン不足がメインとされています。(図⑧)










図9ヒアルロン酸は皮膚内において2~3日で皮膚全体の半分が置き換わるほどターンオーバーを繰り返しています。また水との親和性が非常に強く(水和力は6000倍と言われ人体内では最大)皮膚の水分量や粘弾性に大きく関与します。(図⑨)






最近ヒアルロン酸よりも水和性の高い成分が話題になっていますが、人体内でどう関わっているかは未解決であり、ヒアルロン酸より優れている確証は無いと思います。
ヒアルロン酸は生体内ではN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が交互に結合した高分子多糖体で、ヒアルロン酸の減少は細胞外液の減少を意味し細胞での栄養物質輸送や老廃物除去が滞る事を意味します。加齢によるヒアルロン酸の減少は皮膚の粘弾性即ちハリが減少するに留まらず皮膚自体の厚さも減少する事により皺の原因になります。(図⑩⑪⑫)
図10図11図12









図13皮膚の解剖・生理を整理すると、サプリメントとして補給するなら上記の太字成分が全て含まれたものが理想的だという事が理解して頂けると思います。
これらの成分が配合された高価な化粧品でも、皮膚表面からの塗布だけでは深部の保湿効果が十分とは言えず、深部での乾燥を放置する事により小じわから深いしわに変化していくのです。(図⑬)






図14その上で効率よくお肌の再生を促す成分としてお勧めしたいのがプラセンタペプチドです。美容外科の分野においてもプラセンタ注射は常用されており(ただし非常に高価)その効果は周知の事実です。
プラセンタは胎盤の意で古くから注射薬として肝臓病や更年期障害の治療に使用されてきました。各種アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素、糖質そしてDNAやRNA等の核酸や各種活性ペプチドが成分です。肝細胞や皮膚細胞、神経細胞、軟骨細胞、免疫を担当するNK細胞など各種細胞の増殖作用が確認されています。また老化の一因である過酸化脂質の生成を抑制したり、コレステロール値を減少させる働きもあります。(図⑭)




私の推薦するサプリメントは前述した成分が豊富に配合されています。主にお肌が作られる夜5~10粒程度摂取するのが良いようです。
残念ながらこれらの成分を全て配合しているサプリメントは他では発売されていないようです。何故なら非常に高価な価格設定になってしまうからです。今まで高価な化粧品を使用し場合によっては化粧品メーカー販売の高価なサプリメントを併用されていた方が、内容成分の充実ぶりに感心され驚きの効果を実感されていました。日焼け対策にも効果的なようです。
もちろんアンチエージングサプリメントの併用は一層効果的です。